HSPだけど、アメリカの病院でマネージャーをやっています。
HSPだけど、アメリカの病院でマネージャーをやっています。
私はいわゆる HSP(Highly Sensitive Person) 気質です。
音や空気感に敏感で、人の感情をすぐ察してしまい、強い言葉やピリピリした雰囲気がとても苦手です。
正直に言うと、
自分がアメリカの病院で管理職になる未来は、まったく想像していませんでした。
リーダーや管理職は、メンタルが強くて、多少のことは気にしない人が向いている。
特にアメリカの職場では、はっきり意見を言えて、自己主張ができる人のほうが評価されやすい。
どこかで、そんなイメージを持っていたからです。
病院で働いていると、
患者さんがしんどい時、その苦しさは患者さん本人だけのものではありません。
そばで見守る家族の方も、
強い不安や怒りを、はっきりと言葉や態度で表現することがあります。
さらに、アメリカの医療現場では、
人種、文化、宗教、価値観、医療への期待が本当にさまざまです。
「正解」が一つではない場面の連続です。
不安、怒り、悲しみ、期待、要求が同時に存在する空間は、
HSPにとって正直とても負荷が大きいです。
相手の感情を無意識に受け取ってしまう分、
気づかないうちに心がすり減ってしまうこともあります。
マネージャーになってから、
つらいと感じる場面はたくさんありました。
空気が一気に重くなる会議
率直で、ときに強い言葉でのクレーム対応
誰かの感情を「自分のマネジメントのせいかも」と抱え込んでしまう瞬間
スピード感のある判断を常に求められるプレッシャー
「向いていないのでは?」
そう思ったことは、一度や二度ではありません。
今回このトピックを書こうと思ったのも、
2026年のスタートがすでに色々あって、
また「私はマネージャー職に向いていないのかもしれない」と感じてしまったからです。
それでも私がマネージャーを続けられている理由は、
HSPをやめようとするのをやめたからかもしれません。
アメリカの職場文化に無理に合わせて、
強く、はっきり、即断即決のリーダーを演じるのではなく、
一人で考える時間を意識的に作る
感情が大きく揺れた日は、重要な決断を急がない
消耗したあとは、必ず回復の時間を取る
そんなふうに、
自分の取扱説明書を理解することを大切にしています。
HSPとしてアメリカの病院で働いていると、
正直、見えなくていいものまで見えてしまうと感じることがあります。
患者さんの表情のわずかな変化、
家族の言葉の裏にある恐怖や不安、
スタッフの声色に混じる疲労や限界のサイン。
誰も言葉にしていないのに、
「何かおかしい」と感じてしまう瞬間が、日常的にあります。
それはとても消耗します。
けれど同時に、その感覚があったからこそ、
早めに声をかけられたことや、
大きなトラブルになる前に防げたことも何度もありました。
HSPの感受性は、鋭すぎるアンテナのようなものです。
オンにしっぱなしだと壊れてしまうけれど、
うまく使えば、多様性の高い現場を支える静かな力になります。
HSPにとって一番難しいのは、
「共感しないこと」ではなく、共感しすぎないことだと思います。
私が意識しているのは、とてもシンプルなことです。
「これは私の感情か、それとも相手の感情か」
心の中で、一度分けて考えること。
相手のつらさを理解することと、
その重さをすべて背負うことは違う、と自分に言い聞かせます。
また、すぐに答えを出さなくていい場面では、
あえて一拍置くようにしています。
一晩寝てから考える。
信頼できる人に言葉にして整理する。
それだけで、
感情に飲み込まれずに判断できることが増えました。
① 現場ですぐできる回復
強い場面のあと、1〜2分だけ「誰とも話さない時間」を作る
深呼吸を3回して、足の裏や椅子の感触に意識を向ける
可能なら、窓の外や自然を見る
② 仕事後の切り替え
帰宅後すぐに振り返りや反省をしない
シャワーや着替えで、仕事と自分を物理的に切り替える
刺激の少ない音楽、もしくはあえて無音の時間を取る(AirPods Proのノイズキャンセリングは神アイテムです。)
③ 長く働くための回復習慣
何もしない日・考えない時間を、予定としてあらかじめ入れる
「今日は8割で十分」と自分に許可を出す
一人で静かに考える時間を、定期的に確保する
回復は、甘えではなく、
多様性の高いアメリカの医療現場で働き続けるための戦略だと思っています。
アメリカの医療現場では、
「タフであること」「はっきり主張すること」が求められがちです。
でもHSPとして働いてきて、私はこう思うようになりました。
強くなることより、折れない工夫のほうが大事だと。
折れずに働くというのは、
常に前向きでいることではありません。
「今日はこれ以上無理をしない」と決めることも、
立派な仕事の一部だと思っています。
HSPは、壊れやすいのではなく、
繊細な構造をしているだけ。
丁寧に扱えば、
長く、深く、現場に関わり続けることができます。
ぶっちゃっけ、今のマネージャー仕事が天職だとは思いません。
でも、日々学ぶことがあり、やりがいのある仕事だとは感じています。
マイノリティ (日本生まれの日本人)× HSP気質の私が、
アメリカでどれくらいマネージャー職を続けられるかは分かりません。
それでも、このチャンスに感謝して、
折れずに、楽しみながら、仕事をしていきたい。
2026年、頑張るぞー!
英語バージョンをLinkedInで投稿してます。
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