一生涯勉強とお金
一生涯勉強とお金
こんにちわ。
皆様の健やかな呼吸を守る、呼吸療法士のYokoです。
今回は、Continuing Education(継続的な教育)についてお話をしたいと思います。
めでたくRRTの資格試験に合格して、就職活動を始めて(試験合格する前に内定をもらう強者もいます)、就職をして、健康診断を受けたり、オリエンテーションでバタバタして、慣れないComputer charting(電子カルテ)に悪態つけたり、 学生時代には扱ってなかった最新式(または旧式)医療器具に戸惑ったり、部署内の上下関係や人間関係ドラマに尻込みしたり、熟練ナースや医師から空気みたいな扱いをされて凹んだり、気づいたらProbation Period(試用期間)が迫って、Perfomance evaluation(人事評価、業務上のパフォーマンスを評価)にドキドキしたり、なんだかんだ言っていつの間にか独り立ち出来てて、血ガス採血が一発で取れるようになってガッツポーズしたり、12時間シフトのリズムに体も家族も慣れてきて、週末勤務、平日休みが当たり前になってきた頃に、州から通知が来るのです。
「ライセンスの更新手続きをしてね☆」
(いらすとや)
私はカルフォルニア州のRTなので、毎年2年ごとに最低でも30時間のContinuing Educationを受けて、取得した証明書をRespiratory Care Board of Californiaに提出しなければなりません。例外としては、初めて更新する場合は通常の半分である15時間だけで済みます。
“All RCPs in the State of California who wish to maintain an active license are required to complete 30 hours of continuing education (CE) for license renewal with the exception of your first renewal, where you are required to complete 15 hours.”
Respiratory Care Board of California
自由がモットーのアメリカなので、州ごとに更新頻度と時間数が違います。
お隣のアリゾナ州は2年毎更新の20時間必須です。
インディアナ州は毎年更新の15時間必須です。
ハワイ州は0時間です。ゼ・ロ。アロハ〜。
土地柄で時間数を決めてんのか・・・?
さて、この30時間をどうやってかき集めるのか。
就職する際に必須の3種の神器、もといAmerican Heart Association主催の各種コース(BLS, ACLS, PALS)を受講した場合、州によっては受理します。
そのほかに、AARC学会や病院で開催される講習会に参加したら獲得できます。
AARC学会は年に1度の大きなイベントなので、大体20時間ほど稼げます。
ただ、毎年違う州で開催されるのと、長い拘束時間、移動費と滞在費がかかるのがネックですね。
(私はまだペーペーのRTで、自腹で行ってます。早く偉くなって、病院側が全額払ってくれるようになりますように・・・。)
企業や病院がスポンサーするセミナーは、大体1〜2時間ほどです。
ついこの前、Fisher & Paykelが営業回りの一環として私の勤務する病院まで来てくれて、Vapothermについてセミナーをしてくれました。簡単なパワーポイントでの説明を聞いて、いくつか質問して、1時間のContinuing Educationの証明書をゲット。しかもピザ(こういうところがアメリカン)や飲み物などの差し入れ付き。しかも無料!!ありがたやー。
新しいCredentialを取得(PFT, ACCS, NRP)やオンライン学習でもゲットできます。ただ、勉強時間と金銭的余裕があれば。
(American Association of Respiratory Care (AARC)メンバーであれば、AARC認定のオンライン学習を格安で受講できます。時間数は少ないですが、無料のものもあったりします。)
注意したいのが、セミナーやオンライン学習はなんでも良いというわけではなく、州が指定したものではないと受理されない場合があるので、事前に念入りに確認をします。しかも、このContinuing educationの時間数は、受講時間や拘束時間ではなく、州が認定した時間数のことです。例えば、一日ずっと受講したとしても、3 hoursだけだったりします。なぜ。
時間数を稼いだら、RCBのウェブサイトに行って、更新手続きをします。
この時点で証明書は提出しなくていいのですが、ランダムにaudit(監査)が入って、証明書をRCBに送らないといけない場合もあるので、最低でも過去5年分は手元に置いてきます。
更新費を支払えば、2週間ほどで新しいカードが届きます。新しいカードには、次の更新日が掲載されていますので、うっかり忘れちゃったっていうことはありません。
以上が州による更新手続きでした。
これとは別途に、
National Board of Respiratory Care (NBRC)での更新も必要になります。
これは州など関係なく、CRTやRRTを保持している人たちが対象で、30時間のContinuing Educationの提出と更新費が5年ごと必要になります。ただし、2002年以前にCRT/RRTを取得した人たちは、更新はないです。羨ましいー。
カリフォルニア州などの頻繁に更新手続きが必要な州に住んでいるRTは、すでに30時間のContinuing Educationがあるので、NBRCの更新なんてビビりません。同じContinuing Educationが使えますからね。ハワイ州のRTたちよ、大丈夫か!?(無駄な心配)
ちなみに、Registered Nurseも2年ごとに30時間で、ドクターは2年ごとに50時間が必要です。ふふっ。
人の生命に関わる仕事柄、日々学ぶことがあります。
優等生気取りの私はContinuing Educationの在り方に賛成する反面、どうしても決められたルールに従って、しぶしぶとContinuing Educationを取る不良な私もいたりします。
矛盾してるな〜。
でも、私のような不良な部分を持っている人たちも少なくないはずです。みんなが善意を持って、医療に従事してるわけじゃないので、強制的にContinuing Educationを導入して医療のクオリティを保つべき、なのでしょうか。
人間って複雑ですな。
さて、以上がContinuing Educationについてでした。
アメリカでRTや医療従事者になりたい場合は、どこの州で働くのかも考慮してみてください。
どれだけの量のContinuing Educationや更新費用がかかるのか、事前に調べておきましょう。
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